第1部 第10章(前)

alice

世界図

世界図

目次

07の刻 中央都市ロレーヌ

07の刻 サントラル平原

07の刻 海上

08の刻 中央都市ロレーヌ

08の刻 中央都市・港

09の刻 サントラル平原

09の刻 ヴィニュマール霊山

09の刻 中央都市・港

10の刻 中央都市・港

10の刻 サントラル平原

11の刻 中央都市ロレーヌ

12の刻 上空

12の刻 ヴィニュマール霊山

13の刻 上空

13の刻 ヴィニュマール霊山

13の刻 中央都市ロレーヌ

14の刻 ヴィニュマール霊山

15の刻 ヴィニュマール霊山

15の刻 サントラル平原

16の刻 ヴィニュマール霊山

16の刻 サントラル平原

16の刻 レメス砂漠

17の刻 ヴィニュマール霊山深部

7の刻 中央都市ロレーヌ

「内海とサントラル平原の両側からのモンスターの襲来か……。」

執務室にて、静かに呟いたのは、中央都市市長シェイルである。

「はい。それぞれ中央都市警備隊が対処に向かっていますが、市内の守りが手薄になることをルシウス殿は懸念しております。」

答えるのは、聖王教会中央都市支部教区長フェルナンド。顔には僅かに焦りの色が滲んでいた。

シェイル市長が尋ねる。

「君のところの教会騎士の戦力はひとまず温存しておくとして…………。教会都市トゥールからの援軍は期待できそうかい?」

「聖域都市クレテイユでの“異変”の対処に騎士を派遣したばかりで、しばらくは難しいかと。」

シェイルは髪をかき乱しながら言う。

「やられたね…………。世界樹への干渉はおそらく陽動。本来の目的はこの中央都市への侵攻だ。裏には十中八九、煉獄の使徒が絡んでいるだろう。これでは、まさに…………」

そこで言葉を切り、続ける。

「“聖王戦役”の再来か。」

7の刻 サントラル平原

パーティー
HP攻撃防御魔防習得
ルシウス
(Lv130)
32000720035001000【白桜流奥義・桜花絶風(敵全体にダメージ+防御力ダウン)】
【落葉(単体にダメージ+行動順遅延)】
【雪花迅雷(自身に 素早さアップ)】
中央都市警備隊
(Lv90)
18000400010001000【ソニックエッジ】【ヒール】
中央都市警備隊
(Lv90)
18000400010001000【ソニックエッジ】【ヒール】
中央都市警備隊
(Lv90)
18000400010001000【アクスボンバー】
中央都市警備隊
(Lv90)
18000400010001000【アクスボンバー】
敵データ
  • パイロヒドラ
  • キラートロル
  •   
  • 属性:無属性  HP:16,300

    攻撃力:8,200  防御力:800  魔法防御力:600

    移動力:5  攻撃射程:2

    技名 射程 効果
    通常攻撃 2 単体に 無属性の物理ダメージ8,200
    ミュートポイズン 2 単体に 100%の確率で毒 + 100%の確率でマヒ
    地裂撃 7 直線範囲(幅:3マス)に 土属性の物理ダメージ8,200 + 50%の確率でスタン
      
  • 属性:無属性  HP:21,000

    攻撃力:8,600  防御力:900  魔法防御力:900

    移動力:4  攻撃射程:2

    技名 射程 効果
    通常攻撃 2 単体に 無属性の物理ダメージ8,600
    体当たり 2 単体に 無属性の物理ダメージ8,600 + 50%の確率でスタン + 吹き飛ばし3マス
    ブレイクヒット 2 単体に 無属性の物理ダメージ9,200 + 防御力600ダウン
    メルトダウン 2 単体に 無属性の物理ダメージ10,000 + 50%の確率で即死
      

「部隊をあまり展開させ過ぎるな! 十分に引き寄せてから、各個撃破するのだ! モンスター1匹たりとも市内への侵入を許してはならん!」

サントラル平原では、中央都市警備隊長ルシウスの指揮の元、平原の西側から押し寄せるモンスターの大群に、兵たちが立ち向かっていた。

数の上では明らかに劣勢。しかし、それを上回る力量で、中央都市警備隊は力を振るっていた。日頃の鍛錬の成果、その力を発揮するのにこれほどの機会はない。この街を守るのは自分達なのだと、その意志が強く感じられた。

「しかし、なぜ突然このような事態に……。」

ルシウスの疑問に我関せずとモンスター達は押し寄せてくる。それを一太刀で切り捨てながら、ただ、中央都市を守る者としての責務を全うするのであった。

7の刻 海上

「セルヴァ―ト、中央都市まではあとどれぐらいなの?」

「もう半分以上は来ている。焦るな。これ以上速度を上げると、お前たちが無事では済まないぞ。」

エリオルの問いにセルヴァ―トが答える。

「だが、確かにお前たちの懸念は当たっているようだな。海に潜む者たちの様子がおかしい。モンスターどもが群れを成して中央都市を目指しているようだ。」

その言葉に不安を覚えながら、エリオル達は中央都市を目指すのであった。

another time……

8の刻 中央都市ロレーヌ

「フェルナンド、少し予定より早いが、君の部隊を動かさせてもらうよ。」

「と、言いますと?」

「敵の本命は霊山側だ。おそらく沿岸沿いに真南に押し寄せてくるだろう。」

「しかし……、ルシウス殿が懸念されているように、市内の兵が手薄になるのでは……?」

「なに、まだ切れる手はいくらでもあるさ。」

心配そうなフェルナンドに対し、シェイルは笑って見せた。

フェルナンドには、シェイルのような“事象の因果が見える”力は無い。そのため、単身では、この先の戦局がどのように動いていくのかも分からない。

ただ、シェイルとは長い付き合いである。彼が何の当てもなく希望的観測を述べるとは思えなかった。ゆえに、フェルナンドはシェイルの言葉を信じ共に策を練る。

そこには確かな信頼関係があった。

8の刻 中央都市・港

中央都市警備隊海上部隊。海での戦いに長けている彼らだが、それでもこのモンスターの大群には手を焼いていた。

「部隊長! 港付近の市民の避難が完了しました。」

「ご苦労だった。ルシウス総隊長殿が直々に平原側の守りを固めて下さっている。我らも、ここで引き下がるわけにはいかんぞ。皆、力を貸してくれ。」

部隊長の言葉に一斉に敬礼で返す隊員たち。部隊の士気は高まっていた。

パーティー
HP攻撃防御魔防習得
中央都市警備隊
海上部隊長
(Lv100)
24000400012001200【号令(味方全体の攻撃力アップ)】
【玄武陣(味方全体の防御力アップ)】
中央都市警備隊
(Lv90)
18000400010001000【フラッシュアロー】
中央都市警備隊
(Lv90)
18000400010001000【フラッシュアロー】
中央都市警備隊
(Lv90)
1600027005001500【ストーンブラスト】【プラズマスフィア】【キュア】
中央都市警備隊
(Lv90)
1600027005001500【ストーンブラスト】【プラズマスフィア】【キュア】
敵データ
  • ギルマン
  • オルトロス
  • メーベルワーゲン
  •   
  • 属性:水属性  HP:12,400

    攻撃力:7,200  防御力:700  魔法防御力:700

    移動力:5  攻撃射程:2

    技名 射程 効果
    通常攻撃 2 単体に 水属性の物理ダメージ7,200
    ウォーターガン 7 単体に 水属性の物理ダメージ7,000 + 20%の確率でスタン
    レイニング ALL 敵全体に 水属性の魔法ダメージ5,000
      
  • 属性:水属性  HP:17,600

    攻撃力:8,000  防御力:900  魔法防御力:500

    移動力:3  攻撃射程:2

    技名 射程 効果
    通常攻撃 2 単体に 水属性の物理ダメージ8,000
    スミ 7 単体に 100%の確率で暗闇
    テンタクルウィップ 2 単体に 無属性の物理ダメージ10,000 + 50%の確率でスタン
    ウェーブ 10 直線範囲(幅:3マス)に 水属性の魔法ダメージ6,000 + 吹き飛ばし7マス
      
  • 属性:水属性  HP:14,900

    攻撃力:7,400  防御力:1,200  魔法防御力:300

    移動力:4  攻撃射程:2

    技名 射程 効果
    通常攻撃 2 単体に 水属性の物理ダメージ7,400
    ガードフォース 自身に 防御力1,200アップ
    猛毒液 2 単体に 無属性の物理ダメージ7,400 + 20%の確率で毒 + 20%の確率で混乱
    スプラッシュ 7 単体に 水属性の物理ダメージ7,000 + 防御力600ダウン
      

「部隊長、あれは……」

「人の上半身に魚の尾…………。 “トリトーン” か……。このモンスターを率いているようだな。」

部隊長はすぐさま命令を下した。

「全隊員に告ぐ! 陣を維持したまま敵中央を突破、敵の親玉を討ち取るぞ!」

「「「「「おぉーー!!!!」」」」」

Boss戦

トリトーン

属性:水属性  HP:108,500

攻撃力:8,600  防御力:1,200  魔法防御力:800

移動力:6  攻撃射程:4

技名 射程 効果
通常攻撃 4 単体に 水属性の物理ダメージ8,600
エイミングスロー 7 直線範囲(幅:3マス)に 無属性の物理ダメージ9,000
トライデントシュート 7 単体に 無属性の物理ダメージ12,000 + 20%の確率でマヒ + 20%の確率で即死
電撃 5 単体に 雷属性の物理ダメージ10,000 + 50%の確率でマヒ
タイダルウェーブ ALL 敵全体に 水属性の魔法ダメージ6,000 + 吹き飛ばし7マス(自身中心)

トリトーンの手から槍が落ち、崩れ落ちるように濁流に飲み込まれていき姿を消した。

「うぉー!!」「やったぞー!!」

歓声を上げる隊員たち。

「やりましたね! 部隊長!」

「ああ、だが妙だ……。モンスターどもが何かを恐れているような素振りを見せている……」

「きっと、我らに恐れをなしたのでしょう!」

「いや、それにしては…………。」

その時、沖の方から大きな波が押し寄せてきた。何か大きな影が近づいてきているのが分かった。

「あれは……!?」

「まさか、ルーアン沖に現れたという……!?」

「 “シードラゴン” だ…………!」

隊員たちの間に動揺が広がる。 “シードラゴン” 海に出る者にとって、その名は禁忌である。その場の誰もが、迫る脅威に打ち震えるのであった。

another time……

9の刻 サントラル平原

中央都市の港にて新たな脅威が迫りつつあるのと同時に、都市の西部、平原側での戦いも佳境に差し掛かっていた。

巨大な影を前にルシウスは静かに呟いた。

「 “キマイラ” に “ケルベロス” 、伝説上の化物どもか……。」

口にした名に僅かに畏怖を覚えたルシウスは、自らを奮い立たせるように言った。

「諸君! この街は我ら中央都市警備隊が守り抜く! 皆、己が守りたい者のために剣を振るえ! 恐れるな、勝機は我らにあり!」

「「「「おぉーーー!!!!」」」」

雄叫びと共に、警備隊の兵士たちは、一斉に敵へと向かっていった。

9の刻 ヴィニュマール霊山

霊山のふもと、モンスターの大群を連れて進むのは、人の姿に翼竜の翼のようなものを片側に生やした煉獄の使徒。

「中央都市の人間どもは、東西からの侵攻に慌てふためいているころか…………。下級なモンスターふぜいを率いるのは癪ではあるが、これも大命のため。人間どもに裁きを下してやる。」

その歩みがふと止まる。

「ほぅ……。」

霊山方面の平原に向かって、都市から歩を進める一団があった。教会の騎士装束に身を包む一団。聖王教会中央都市支部の教会騎士たちであった。

「こちらからの侵攻を読んでいたか…………。そうだ。そうでなくては、俺たちも面白くない!」

戦いの幕が上がるのを前に、煉獄の使徒が呟く。

「 “片翼” が “アレス” 。ファティマ様の名に恥じぬ戦いをして見せよう。」

9の刻 中央都市・港

「全部隊に告ぐ! 港の後方まで撤退! すぐさま防衛陣を敷く!」

部隊長の声に従う隊員たち。シードラゴンの迫る港は混乱に包まれていた。

「奴め、さすがに陸上までは手出しはできんだろう。」

「そうだな。所詮は海上のモンスターだ。距離をとって弓と魔法で仕留めてやる。」

そう話し合っていた隊員たちの足元が突如、濁流に呑まれる。

「なっ……! うわぁー!?」

「た、助けてくれー!!!」

成すすべもなく波の犠牲になる隊員たち。

「皆、油断するな! くっ……!! あの波が厄介だ……。手出しができないのはこちらも同じか!」

部隊長は焦りを感じていた。シードラゴンの放つ波によって、港は壊滅的な打撃を受けている。

「部隊長! 防衛陣を維持できません! 港の後方にまで被害が及んでいます!」

「くっ!!」

「このままでは、街にも被害が出ます!」

「かくなる上は……、行くぞ! 勇気のある者は私に続け! 奴の狙いを街の沿岸から逸らし、海岸沿いに南へ誘導するのだ!」

部隊長の決死の決断に、隊員たちも奮起し、弓と魔法による一斉射撃が浴びせられた。

「グウォアァァーーー!!!」

攻撃を受けたシードラゴンは、狙いを港から僅かに逸らした。次に狙うは海岸の南に展開する隊員たちであった。

シードラゴンの周囲に魔力が集中していく。

「まさか!? この距離で魔法を放つつもりか?」

「に、逃げ……」

「だ、だめだ……、間に合わない…………!」

その場の誰もが一瞬、諦めかけた、その時だった。

『―――蒼龍陣!!!―――』

空からの澄んだ声と共に、隊員たちの周囲に魔力による障壁が展開される。

同時に、シードラゴンよりもずっと大きな竜の姿が海上に現れた。

another time……

10の刻 中央都市・港

「な、なんだ……あれは……?」

「きょ、巨大な竜…………?」

警備隊の兵たちが驚きの声を上げる。

シードラゴンの放った魔法は、アリスの魔法の障壁で完全に無力化されていた。

「まったく……。これは間に合ったってことなのかねぇ……」

呆れたように言うジェラルドにセティアが返す。

「上等よ! まだ市内には被害は出ていないわ! 警備隊が思った以上に持ちこたえてくれたみたいね。」

「セルヴァ―ト! あなたの背を借りたままで悪いがあのドラゴンの相手をさせてもらうよ!」

フォルトが声を張った。

「仕方あるまい。せいぜい振り落とされないよう戦うことだ。」

パーティー
HP攻撃防御魔防習得
エリオル
(Lv110)
26100600036001100
アリス
(Lv110)
2240015009003600
ジェラルド
(Lv110)
2850058003600700
セティア
(Lv110)
2300020009002700
フォルト
(Lv110)
24900390018001800
Boss戦

シードラゴン

属性:水属性  HP:173,000

攻撃力:12,000  防御力:1,800  魔法防御力:1,200

移動力:6  攻撃射程:3

技名 射程 効果
通常攻撃 3 単体に 水属性の物理ダメージ12,000
ドラゴンファング 3 単体に 無属性の物理ダメージ16,000 + 攻撃力600ダウン
ぶちかまし 7 直線範囲(幅:5マス)に 無属性の物理ダメージ12,000 + 吹き飛ばし5マス + 対象方向へ移動7マス
メイルシュトローム ALL 敵全体に 水属性の魔法ダメージ10,000 + 20%の確率でスタン + 魔法防御力600ダウン
タイダルウェーブ ALL 敵全体に 水属性の魔法ダメージ10,000 + 吹き飛ばし7マス(自身中心)
ウォーターシールド 水属性魔法:自身に 魔法防御力600アップ

「何という者たちだ…………。伝説の竜の背に乗り、シードラゴンを打ち負かしてしまうとは…………。」

「部隊長! 海上のモンスターが逃げ出していきます。」

「ふむ。より強い力の前には、モンスターとて恐れをなすのであろう。」

そう呟いた部隊長の元に、セルヴァ―トが舞い降りる。

たじろぐ隊員たちにアリスが声をかける。

「皆さん、大丈夫ですか?」

「ああ。君たちのおかげで、被害を最小限に留めることができた。礼を言わせてほしい。」

セティアが急かすように尋ねる。

「中央都市は今どうなっているの? 空からの様子では、西の平原側でも戦闘が行われていたようだけど。」

「今、この街は、先の大戦に次ぐほどの危機に瀕している。我ら中央都市警備隊も全力は尽くしているのだが…………。」

「シェイル市長はどうされているのですか?」

フォルトが尋ねた。

「市長は、戦況を読み、総指揮を執ってくださっている。」

「なるほど。まずは、市長に会って状況を整理しよう。セルヴァート、あなたはしばらくここで待っていてもらえないだろうか。」

フォルトの問いにセルヴァートが答える。

「よかろう。ファティマとやらも未だ姿を見せぬようであるしな。また何かあれば呼ぶがよい。」

「行くわよ、みんな! あの能天気な市長さんも、さすがにこの状況には堪えているでしょうよ。」

セティアの声に促され、一同は港からロレーヌ市内へと向かった。

10の刻 サントラル平原

「雪よ!雷(いかづち)のもとに舞え! 『雪花迅雷』!!!」

言葉と共にルシウスがモンスターの大群へと向かっていく。残像を伴いながら戦場を駆けるその姿は、常人には目が追い付かない程で、まるで疾風のようであった。

「そこだっ!!!」

ルシウスは、モンスターの中心に居た2頭の内の一体 “キマイラ” に狙いを定めた。

「グォウアァーー!」

キマイラがルシウスに襲い掛かる。

「遅い…………。くらえ、『落葉』!!!」

キマイラが片足を切り飛ばされ、動きを鈍らせる。ルシウスは、反す刃で周囲のモンスターを薙ぎ払い、自身を狙った “ケルベロス” の炎を雨露を払うようにかわす。

「すごい……。さすが総隊長殿。何という速さだ……」

「お前たち、感心している場合ではないぞ! 周囲のモンスターを排除しつつ、本命の2体に致命傷を与えるのだ! 私に続け!!!」

キマイラにケルベロス。すさまじい力を持った2体の魔物を相手に、警備隊の面々は善戦をしていた。

あの聖王戦役でも活躍したという、白桜流の剣術を操り、ルシウスは敵を切り捨てる。その刃に迷いは無く、ただ己が信じる道のために剣を振るうのであった。

another time……

11の刻 中央都市ロレーヌ

執務室では、シェイル市長とフェルナンド教区長が言葉を交わしていた。他にも数人、指示を受け部屋を出ていく者、報告に訪れる者と、たいそう慌ただしい様子であった。

シェイル市長が顔を上げこちらを一瞥し、話しかけてきた。

「やあ、アリス君たち。久しいね。何やらいろいろな事があったようだが、ずいぶんとたくましくなったようだねぇ。ぜひとも冒険譚を聞かせてもらいたいものだけれど、どうにも忙しくていけないな。」

そう言うと、シェイルはフェルナンドの方を向き、伝えた。

「海上からの脅威はひとまず去ったと見ていいだろう。警備隊の海上部隊は一部を残し、市内の防衛に務めさせるように。平原からの侵攻は警備隊の本隊とルシウスに任せておけば大丈夫だ。教会騎士諸君には、トゥールからの援軍が到着するまで何としても持ちこたえてもらうよ。場合によっては、そうだな……、フェルナンド。君が直接指揮を執ってもいい。」

フェルナンドが一礼して答える。

「分かりました。教皇殿も直接動いてくださっているようです。霊山側からの敵の侵攻は、聖王教会の威信にかけても防ぎきって見せましょう。」

そして、アリス達の方に向き直ると、表情を少しやわらげながら言った。

「君たちの活躍は聞いているよ。こんな時でなければ素直に再会を祝しているところだが…………。正直、この街は今、危機に瀕している。君たちが古代竜の助力を得たというのなら、悪いことは言わない、トゥールに避難してはどうかね。アイリーン教皇殿も安心してくださるだろう。」

「はははっ、それは彼らにとって失礼というものさ、フェルナンド! アリス君たちがそれで納得すると思うかい?」

「しかし、市長………。」

「さて、君たちは、この状況下でどう動く?」

「シェイル市長! 僕たちも戦いに参加させて下さい!」

「私もエリオルと同意見です。」

「エリオル君……、アリス君まで…………。」

フェルナンドが二人の意気込みにうろたえた。

エリオルが一歩前に出て進言した。

「どこかに敵の黒幕が潜んでいるはずです。僕たちは、世界樹を襲撃した煉獄の使徒から、直接 “ファティマ” という名前を聞いたんです。」

「なんと……」

驚くフェルナンドに対し、シェイルは興味深そうに話しに乗って来た。

「 “ファティマ” か…………。奴が黒幕だとすれば、意外ではあるがつじつまは合う。これだけの状況を作り出すのに役不足ということはないからねぇ。」

「しかし、ファティマが姿を現したという報告は届いていませんが……」

「そうだな。奴は古代竜セルヴァートに匹敵する程の巨体を持つ双頭竜だ。今、身を潜めているのは恐らく…………」

そう言うと、シェイルは窓の外を見てはっきりと言った。

「ヴィニュマール霊山だ。」

another time……

12の刻 上空

エリオル達は、再びセルヴァ―トの背に乗り、ファティマが潜んでいると思われるヴィニュマール霊山を目指していた。

「でも、良かったのかな? 僕たちも中央都市の教会騎士の皆に加勢しなくて……」

エリオルの問いにフォルトが答える。

「大丈夫さ。フェルナンド教区長自ら指揮を執ると言っていただろう。あの方の若き頃の二つ名を君たちは知っているかい?」

横に居たセティアが吹き出して言った。

「ふふっ。“破魔の聖刃” ね。昔、手ほどきを受けたことがあるけど、あの人なら並の相手には後れを取らないでしょうね。」

それを聞いてジェラルドが感心したように呟く。

「あの神父さんがねぇ……。人は見かけによらないんだな。」

その時、アリスが声を上げた。

「みんな、あれを見て!!!」

アリスの指差す先、ヴィニュマール霊山の上空に、ぽつぽつと黒い影が見えた。

「何だよ、あれ…………。」

怪訝そうにジェラルドが言う。

「小型のドラゴンに鳥類のモンスター、なるほど…………、空からも簡単には近づかせないというわけか…………。」

フォルトが言うように、翼を持ったモンスターの群れが霊山の空を埋め尽くしていた。

12の刻 ヴィニュマール霊山

「その程度か。あまりがっかりさせるな……。」

冷たく言い放つのは煉獄の使徒“アレス”。その前に広がるのは倒れ伏す中央都市の教会騎士たちの姿であった。

「おのれ……、煉獄の使徒ぉおー!!」

「甘いな……」

「か、はっ…………」

かろうじて息のあった教会騎士が、せめて一太刀と切りかかったが、アレスの放つ魔力によって息の根を止められてしまった。

「まったく……、期待外れもいいところだ。これではファティマ様が直々にお出でになるまでもなさそうだ。」

そう言ったアレスの元に一本の矢が放たれる。

「!?」

ただの矢ではない。光属性の魔力を付与した聖なる矢は、煉獄の使徒たるアレスの瘴気を祓っていた。矢をはじいたアレスの右手に薄く傷ができる。

アレスが矢の出所を探る。森の奥、一人の男性が現れた。フェルナンドである。

「死んでいった者たちへの手向けだ……。このような老骨の技でも少しは届かせてもらうぞ!」

フェルナンドが堂々と言い放つ。

対するアレスはにやりと口を歪めた。

「おもしろい……、ようやく俺を楽しませてくれる奴が出てきたか!」

another time……

13の刻 上空

パーティー
HP攻撃防御魔防習得
エリオル
(Lv110)
26100600036001100
アリス
(Lv110)
2240015009003600
ジェラルド
(Lv110)
2850058003600700
セティア
(Lv110)
2300020009002700
フォルト
(Lv110)
24900390018001800
敵データ
  • ハルピュイア
  • コカトリス
  •   
  • 属性:風属性  HP:15,800

    攻撃力:7,400  防御力:800  魔法防御力:800

    移動力:7  攻撃射程:3

    技名 射程 効果
    通常攻撃 3 単体に 無属性の物理ダメージ7,400
    クレイジーハウル 5 単体に 無属性の物理ダメージ7,400 + 50%の確率で混乱
    スクウィールロアー 7 直線範囲(幅:5マス)に 物理ダメージ6,600 + 20%の確率で睡眠 + 20%の確率で暗闇
    トルネード 5 円範囲(地点中心:5マス)に 風属性の物理ダメージ6,000 + 円範囲中心に吸い寄せ
      
  • 属性:風属性  HP:18,700

    攻撃力:8,000  防御力:1,000  魔法防御力:800

    移動力:7  攻撃射程:3

    技名 射程 効果
    通常攻撃 3 単体に 無属性の物理ダメージ8,000
    疾風 7 直線範囲(幅:5マス)に 風属性の物理ダメージ7,000 + 50%の確率でスタン + 吹き飛ばし5マス
    石化くちばし 2 単体に 無属性の物理ダメージ8,000 + 100%の確率で石化
      

「セルヴァ―ト! 何とか近づけないの?」

もどかしそうに尋ねるエリオルに呆れたように返すセルヴァ―ト。

「無茶を言うな。一体一体は弱き者どもだが、この数だ……。正直、お前たちを背に乗せていなければと思うところだぞ!」

「このモンスターの数…………、敵の大将が居るのは間違いないんじゃねえか?」

「ジェラルドの言う通りだろうね。」

フォルトが答えた。

「シェイル市長の読み通りだ。確かにファティマは霊山に姿を潜めているんだろう。問題はどうやって近づくかだが…………」

そうしているうちに、翼を持ったモンスターの群れがエリオル達を乗せたセルヴァ―トに襲い掛かって来た。

フォルトが慌てて言う。

「一時撤退だ、セルヴァ―ト! 霊山のふもとに降ろしてくれないか!」

「しかたあるまい。む…………あれは……………。」

セルヴァ―トが急降下しながら何かに気付く。

「ふむ。お前たちにとっては都合がいいかもしれんな。」

セルヴァ―トの言葉の意味を図りかねたまま、一同はヴィニュマール霊山の上空から離脱した。

13の刻 ヴィニュマール霊山

フェルナンドの放つ無数の矢をすべて弾くアレス。同様に、アレスの放つ魔法もフェルナンドの魔力の盾に無効化されていた。

「なるほど……」

アレスが感心したように言う。

「お前が一人で現れたなら俺も危うかったかもしれないな。だが、これならどうだ?」

アレスの魔法が他の教会騎士たちへと向けられる。

「!!」

フェルナンドが身を挺して部下たちをかばう。魔法を防ぎきれず、傷を負うフェルナンド。

「フェルナンド教区長!」

「私に構うな!! 奴を絶対にここで食い止めるのだ!」

「しかし、まずはその傷の手当てを……」

「…………私には、シェイル市長のように先を読む力は無い。だからこそせめて戦場で最善を尽くすのだ。このくらいの傷は何でもない! 何としても戦役時の悲劇を繰り返してはならない。都市内への侵攻だけは我らの手で防ぎきるのだ!」

フェルナンドの言葉を遮るように近づくアレス。

「ふん、威勢だけはいいな、老いぼれが……。なら、これでどうだ?」

瞬間、フェルナンドの周囲に居た教会騎士たちが苦しみだした。アレスの魔力の糸で全身を縛られているようであった。

「や、やめるのだ……」

「残るはお前一人だけだな……。他人を守りながらでは俺には勝てん。本当につまらない茶番だった。」

フェルナンドへ向けて、アレスの手から魔力が放たれた。

13の刻 中央都市ロレーヌ

市長の執務室には静けさが訪れていた。

窓からヴィニュマール霊山の方に目をやり、シェイル市長が一人呟く。

「フェルナンドは敗れたか……。」

「だが彼が死ぬ未来は予見していない。」

「おそらくは間に合うのだろう。そうでなければ、むざむざとあの場に送り出しはしないさ。彼は失うには惜しい人物だからねぇ。」

そこでククっと笑って窓と反対側へ向く

「さて残る問題は…………」

「……南か。」

“事象の因果が見える”力を持つシェイル。その瞳にはいったい何が映っているのか…………

another time……

14の刻 ヴィニュマール霊山

「わ、私は…………? この光は……」

フェルナンドが無傷な自身の姿に戸惑う。その周囲には神聖な光が煌めいていた。

アレスが振り向き、呟く。

「お前か…………。 “アイリーン” !!」

「アレス……。先の戦役でも中立を貫いていたあなた達が、このような企てを起こすなど、少々意外でした。」

アレスは興味がないといった様子で答える。

「お前にどう思われようと構わない。俺はファティマ様の意に従うまでだ。」

「やはり、背後にはファティマが居ますか……」

アイリーンが少し考え込む。

「しかし、早かったな。お前たちは、ネイビャスの起こした騒ぎでもうしばらく足止めされているはずだったのだがな。」

「ええ、そうですね……。ですから奥の手を使わせていただきました。」

アレスがアイリーンの背後に目をやる。魔法陣からトゥール支部の教会騎士たちが姿を現していた。

「…………転移門か。小癪な真似を。」

「アレス、どうやらあなたの相手は私たちだけではないようですよ。」

「なに……?」

疑問を抱くアレスの前に巨大な古代竜が降り立った。

another time……

15の刻 ヴィニュマール霊山

「ア、アイリーン義母さま!?」

セルヴァ―トから降り立ったアリスが驚き、声を上げる。

「教皇様、あたしたちも加勢します!」

セティアがそれに続き、戦闘態勢に入る。あとの3人もそれぞれ武器を手に地上へ降り立った。

「アリス、エリオルさんにジェラルドさん、お力をお借りしますよ。セティアとフォルトも存分に力を発揮なさい。」

アイリーンの言葉に、頷いて返す一同。

続いて、フェルナンドの方を向き、

「フェルナンド、ご苦労でした。」

「申し訳ありません、教皇様。兵の命を多く失ってしまいました……。」

「いいえ、よくここまで持ちこたえました。残りの兵とトゥールの騎士を再編し、指揮をとるのです。」

「はっ! かしこまりました!」

明らかに多勢に無勢となったアレスであるが、その意志は折れていなかった。

「ふん。予定とは違うが仕方あるまい。まとめて相手をしてやろう。」

アレスの言葉に殺気が込められる。

「 “片翼” がアレスの力、その身に刻み込め!!!」

15の刻 サントラル平原

パーティー
HP攻撃防御魔防習得
ルシウス
(Lv130)
32000720035001000【白桜流奥義・桜花絶風(敵全体にダメージ+防御力ダウン)】
【落葉(単体にダメージ+行動順遅延)】
【雪花迅雷(自身に 素早さアップ)】
中央都市警備隊
(Lv90)
18000400010001000【ソニックエッジ】【ヒール】
中央都市警備隊
(Lv90)
18000400010001000【ソニックエッジ】【ヒール】
中央都市警備隊
(Lv90)
18000400010001000【アクスボンバー】
中央都市警備隊
(Lv90)
18000400010001000【アクスボンバー】
Boss戦

キマイラ

属性:無属性  HP:85,600

攻撃力:5,800  防御力:1,200  魔法防御力:1,000

移動力:5  攻撃射程:2

技名 射程 効果
通常攻撃 2 単体に 無属性の物理ダメージ5,800
神経針 5 単体に 無属性の物理ダメージ6,000 + 防御力600ダウン
魔眼 7 単体に 100%の確率で混乱
毒霧 ALL 敵全体に 50%の確率で毒
火炎烈風 ALL 敵全体に 火属性の魔法ダメージ4,500
冷風烈波 敵全体に 氷属性の魔法ダメージ4,500 + 20%の確率で凍結

ケルベロス

属性:火属性  HP:69,300

攻撃力:7,600  防御力:800  魔法防御力:800

移動力:7  攻撃射程:2

技名 射程 効果
通常攻撃 2 単体に 無属性の物理ダメージ7,600
噛みつき 2 単体に 無属性の物理ダメージ8,500 + 防御力600ダウン
クロスリッパ― 7 直線範囲(幅:3マス)に 無属性の物理ダメージ7,000 + 20%の確率で即死 + 対象方向に7マス移動
ファイアブレス 7 直線範囲(幅:3マス)に 火属性の物理ダメージ7,000
熱風 ALL 敵全体に 火属性の物理ダメージ6,000 + 素早さダウン
ヘルファイア 5 円範囲(自身中心:5マス)に 火属性の物理ダメージ7,000 + 20%の確率で悪霊 + 攻撃力600ダウン

ルシウス率いる警備隊の本隊は、キマイラ、ケルベロスの2体の魔物を完全に追い詰めていた。

割って入ろうとする他のモンスターは、ルシウスの的確な指示で部下の兵たちによって妨げられる。

ルシウスが剣を構え、呼吸を整える。

ルシウスの周りに風が渦巻き始め、気の流れが生まれる。

「白桜流奥義! 桜花絶風!!!」

白い花びらが吹雪のように舞い、一陣の風となって戦場を駆け抜ける。その風が2体の魔物を切り刻み、後には塵ひとつ残らなかった。

残された魔物たちも、警備隊の兵の面々によって、次第に蹴散らされていった。

中央都市への西側からの侵攻は、ルシウスを初めとした中央都市警備隊の尽力によって防がれたのである。

another time……

16の刻 ヴィニュマール霊山

パーティー
HP攻撃防御魔防習得
エリオル
(Lv110)
26100600036001100
アリス
(Lv110)
2240015009003600
ジェラルド
(Lv110)
2850058003600700
セティア
(Lv110)
2300020009002700
フォルト
(Lv110)
24900390018001800
Boss戦

アレス

属性:無属性  HP:226,600

攻撃力:12,000  防御力:1,200  魔法防御力:2,000

移動力:8  攻撃射程:10

技名 射程 効果
通常攻撃 10 単体に 無属性の魔法ダメージ12,000
レイジスラッシュ 2 単体に 無属性の(自身の残りHP依存で変動する)物理ダメージ
【残りHP/ダメージ】:【100%~50%/18,000】【50%~25%/20,000】【25%~0/22,000】
メテオスウォーム ALL 敵全体に 無属性の物理ダメージ10,000 + フィールド中央中心に吹き飛ばし7マス
スカーレット・ムーン ALL 火属性魔法:敵全体に 20%の確率で混乱 + 10%の確率で消滅
リヴェリオン 2 円範囲(自身中心:3マス)に 無属性の魔法ダメージ18,000 + 50%の確率でマヒ + 防御力1,200ダウン

「それだけの魔法を無詠唱で放つだと……!? アイリーン…………お前。 つくづく、ただの人間にしておくには惜しい奴め………」

「ふふ。それは持ち上げすぎですよ、アレス。私の力など、聖王様に比べれば比較にもなりません。」

「ふん。まだあの男の事を慕い続けているのか。ユージーンは死んだ。行方不明などとうたって聖王教会という基盤を作り上げたようだが、聖王などという男は存在しない!もう一度言うぞアイリーン、ユージーンは死んだのだ。どうしても会いたいのならば、あの男が煉獄の使徒として現世に舞い戻ってくるでも待ったらどうだ! その方が死んだ人間を探すより、よほど建設的だぞ!」

「あんたっ!! 教皇様に向かってなんて失礼な…………!?」

「いいのです、セティア…………。それに……」

「事態はそんな簡単な話でもないのですよ。」

「……?」

アイリーンがひどく小さな声で呟いた。 何の因果か、その声はエリオルの耳にだけ届いた。

その直後、大地を揺るがすような声が霊山の奥から響いてきた。

「アレス。ここは退くのだ。時はまだある。シルヴィに後を託せ。」

低く轟く声にアレスが初めて動揺を示した。

「しかし、ファティマ様…………」

再び、声が響く。

「計画に誤算は付きものだ。大人しく我が元まで引き返せ。」

「承知、しました……」

アレスの周囲に魔力が集中する。

「逃がすもんですか!」

セティアが追い打ちをかけようとした。

「勘違いするな。俺はまだ敗北したわけではない。中央都市は必ずや陥落し、人間どもはみな絶望に打ちひしがれるのだ! 覚悟するがいい!」

そう言い残し、アレスはその場から転移した。

16の刻 サントラル平原

平原にはもはやモンスターの姿は残っていなかった。静けさを取り戻した大地に、ルシウスは不穏な空気を感じ取る。

「嫌な風が吹いているな…………。この方角……、レメス砂漠の方か。」

ルシウスの勘は当たっている。ちょうどその頃、レメス砂漠にて、ある動きがあった。

16の刻 レメス砂漠

「兄さま…………。」

遠くを見つめ、静かに呟くのは、アレスとは逆側に翼を生やす少女の姿をした煉獄の使徒。

「私は、できれば戦いたくありません…………」

そこで一度俯き、静かに顔を上げる。

「ですが、これも大命のため…………」

「 “片翼” が “シルヴィ” 参ります。」

another time……

17の刻 ヴィニュマール霊山深部

ヴィニュマール霊山の深部、木々に囲まれて、荘厳な双頭竜が佇んでいた。

“ファティマ” 煉獄の使徒の中でも強い力を持ち、先の戦役では、静観を決め込んでいた存在。

ファティマが、誰にともなく言葉を口にする。

「我ら煉獄の使徒は、現世に破壊をもたらすべく生まれた。ユグドラシルから真実を聞いたものでなければこの義憤は生まれまい! 我らは死してなお救われることはない。我らは世界の歪みの体現だ。ゆえに我らは……………」

「…………憎み、奪い、壊し続けるのだ!」

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